秩父銘仙×Joe's Style

Joe's Style（ジョーズ・スタイル）

ガラスカボションアクセサリーを制作するアクセサリーブランド「Joe￥'s Style（ジョーズ・スタイル）」は、関東を中心にワークショップを展開しています。ガラスとファブリックを組み合わせた鮮やかなアクセサリーは、シンプルなつくり方と、バリエーションの豊かさが人気を呼び、立ち上げから約3年間で会員数300名を超えました。

Joe's Styleホームページ
https://www.joes-style.com/
野田あゆみさん

代表の野田あゆみさんは、雑貨店や飲食店の経営経験を生かし、さまざまなシステムを考案。認定クリエイターによる制作チームをつくって、ファブリックにとどまらず、紙や糸、ペイントなどを盛り込んだ、よりオリジナリティの高いガラスカボションを生み出しています。
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秩父銘仙

そんなあゆみさんに、ぜひつかってほしいとお願いしたのが国指定伝統的工芸品の「秩父銘仙」。深い色味の銘仙は、装飾パーツを組み合わせることで、艶やかな光りをもったイヤリングやピアスに姿を変えました。.
秩父市

秩父市は、埼玉県の北西部に広がる市で、県内で最も広い市町村。池袋駅から特急で1時間20分。西武鉄道の「Sトレイン」は、西武秩父駅と横浜を2時間15分ほどで結びます。秩父神社や三峯（みつみね）神社といった全国でも有数のパワースポットがあり、女性に人気が高い観光地です。古くから養蚕と絹織物が盛んで、西武秩父駅から歩いて10分ほどの「ちちぶ銘仙館」では、その歴史を知ることができます。

西武鉄道「特急レッドアロー号・S-TRAIN」
https://www.seiburailway.jp/express/
銘仙（めいせん）

銘仙（めいせん）とは、絹の平織物の総称です。秩父銘仙の特徴は、タテ糸に型紙を使って模様をつけ、ヨコ糸を織っていく「ほぐし捺染（なっせん）」という技法。おぼろ月のような玉虫効果をもち、職人による手染めのテクニックが光ります。デジタル染めとは深みが違うのだとか。
大正ロマン

それまでになかった大胆な柄、また、裏表がないため、表が色あせたら裏にして仕立て直すといったお得感がある秩父銘仙は、大正から昭和初期にかけて、全国のモダンガールたちをとりこにしました。日本女性のおしゃれを目覚めさせたともいわれています。
逸見恭子さん

1927年創業の逸見織物（へんみおりもの）3代目、逸見恭子さん。糸仕事にたずさわって30年近く。織機の「カシャンカシャン」という音を子守唄に育ったという、秩父では貴重な継承者のひとりです。
今回の試作品を見ていただいたら「うん、センスいいわ」とうれしいリアクション。逸見さんは、企業や作家とコラボレーションして新しい商品を生み出す「Chichibu Meisen Lab」に取り組み、銘仙の新しい可能性にたいへん意欲的。こんなこともできるのよ、とたくさんのアイデア商品を見せていただきました。

逸見織物ホームページ
http://www.henmiorimono.com/
秩父ふるさと館

全盛期には市民の7割が織物業に従事していたという秩父ですが、いまは数軒の機屋（はたや）によって伝統が守られています。何度か衰退期を迎えますが、創業当初から時代の変化に柔軟だった逸見織物は、いまも忙しい日々。取材中も営業の連絡がひっきりなしです。ファッション業界からも注目を集める逸見織物。来春の生地の色決めを世界的な自転車レースの｢ジロ・デ・イタリア｣や｢ツール・ド・フランス｣を見て決めているというから驚きです。「秩父ふるさと館」１階にある逸見織物出張所では、恭子さんが主宰する「KYOKO￥'Sクラフト」のバッグや小物が手に入ります。

秩父ふるさと館
https://navi.city.chichibu.lg.jp/p_sightseeingr/842/
秩父の伝統をガラスカボションに閉じ込めて

今回、Joe￥'s Styleで使用した秩父銘仙は、逸見織物の銘仙を使っています。このほか、秩父の町で集めた古い銘仙、夜具地（ふとんに使われる織物）も使用。耳元でゆれる秩父銘仙。大正時代のモガたちとは違ったスタイルで、新たなおしゃれが楽しめそうです。

（文・写真　きびるアクション）