秩父産の絹×ひらり the airy jewelry
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糸の玉がやさしくゆれるオリジナルジュエリー
「日々を軽やかに楽しく生きる女性の日常を彩る、オリジナルで特別なハンドクラフトジュエリー」をコンセプトに、糸や紙をつかったアクセサリーを制作する「ひらり the airy jewelry(ひらり ジ・エアリー・ジュエリー)」。代表作のひとつ[tumugi](つむぎ)は、空気をまるく包み込んだ「糸の球」のアクセサリー。驚くほど軽く、身につけているのを忘れてしまいそうなつけ心地。なのに、しっかりと存在感を発揮する大注目の作品です。
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秩父銘仙のルーツ!くず繭
古くから養蚕が盛んな埼玉県秩父市。江戸時代には幕府の衣冠束帯用に秩父絹(根古屋絹)が採用され、その丈夫さから「鬼秩父」「鬼太織」と評判をよび、全国に名を知られます。そんな中、規格外の繭(くず繭・玉繭など)や糸(太糸・熨斗糸)を利用してつくった「秩父太織」と呼ばれる野良着が大衆の普段着として大人気に。のちに太織は「秩父銘仙」と名前を変え、「ほぐし捺染」技術の開発で華やかなデザインをほどこした織物に飛躍していきます。
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独特の節となめらかな質感が特長
独自の製糸工程でつくられる太織用の糸。撚りをかけず引きそろえただけなので、練り上げるとふっくらとひろがります。この秩父産の絹糸を使って、ひらり the airy jewelryが[tumugi]シリーズを制作。普段使用している絹糸とは、少し違った表情を見せてくれます。
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見た目は繊細、きちんと強度も
[tumugi]は、独自の技法でつくった小さな風船に、糸(おもに絹糸)を巻きつけることで生まれる繊細な球体のジュエリー。あらかじめ糊づけした糸を使うため、乾燥させてから風船を割ると不思議な糸の球ができます。さらに、強度をつけるため、樹脂をていねいに塗り重ねてコーティングしています。
ひらり the airy jewelryホームページ
http://www.tukuridou.com/
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工芸っぽさが出ておもしろい仕上がりです
「普段使っている絹糸とは違い、ランダムな太さと質感があり、工芸っぽさが出ておもしろい仕上がりです」とは、作家のきたがわさえこさん。きたがわさんは、前職がアクセサリーパーツ会社の販売員。もともとものづくりが好きで、その知識や経験をいかし、オリジナルジュエリーを制作。[tugumi]や、薄紙と樹脂でつくる[utakata](うたかた)など数種類のシリーズを展開中。いずれも一つひとつ、きたがわさん自身が手作業で仕上げています。
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いくつもの工程を経てできあがる絹糸
秩父織物の貴重な資料を展示する「ちちぶ銘仙館」(埼玉県秩父市)にいってきました。「糸操室」では、繭から糸をとる機械が展示されています。設置された工程表や繭の標本から、絹糸ができあがる様子がわかります。
ちちぶ銘仙館ホームページ
http://www.meisenkan.com/
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ノスタルジックな建物にうっとり
アメリカ人建築家ライト氏が考案した大谷石積みの外装や、昭和初期の特徴的な装飾がみられる建物は、国の登録有形文化財に指定されています。秩父のプライドと、当時の繁栄ぶりをうかがわせます。
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<おこさま>あっての秩父
埼玉県伝統工芸士の寺内秀夫さん。寺内織物の3代目で、織物とともに秩父で育ちました。
寺内さん「このあたりでは、蚕のことを<お蚕さま>といいます。なかには<おこさま>と略していう人もいますね」
私「幼虫を怖がる人はいないのですか?」
寺内さん「いますよ(笑)。昔は手伝いにきた若い女の子たちが触れなくて泣いてねぇ」
茶目っ気たっぷりに笑う寺内さんですが、かつては50軒以上あった養蚕農家がいまは7軒ほどになったと、さみしそうな表情もありました。
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自分自身を大切にする力に
きたがわさんは、今年7月の「HandMade in Japan fes 2017」(主催/Creema)の公式PVに出演。その中で「大切につくられたものを選んで身につけるって、自分自身を大切にする行為というか、そんな力になれるジュエリーになれるといいな」と話します。長い長い工程を経てつくられた絹糸に、ていねいに手をかけて生み出すアクセサリー。この作品のメッセージをぜひ感じていただけたらと思います。
Creative session SAITAMA
~伝統とデザインの新しい重なり~
10月31日[火]~11月6日[月]
午前10時~午後8時
西武所沢店
2階=駅側正面入口特設会場